ガンじゃなくて良かったって言った父

3月に約3年の闘病生活を終え、58歳で旅立った私の父。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)という10万人に1〜2人とか言われるくらい珍しい難病になってしまった父。

治る見込みのない治療法のない病気。

毎日少しずつ筋肉が死んでいく病気。

足が動かなくなって、歩けなくなって、立てなくなって、座れなくなって。

手が挙がらなくなって、動かなくなって。

ご飯が飲み込めなくなって、食べれなくなって。

しゃべれなくなって、呼吸ができなくなる。

でも脳には異常がなく、元気なときのまま考えられるし正常。

動かないのに、痛みやかゆみやだるさは元気なときと同じように感じる。

蚊が飛んで来てもよけることも戦うこともできず、刺されてもかくこともできない。

でもみんなと同じように痒さは感じる。


ほんとに過酷でつらすぎる病気でした。

そんな病気なのに父は

「ガンじゃなくてよかった」っていつもいってた。

「ガンは治療がつらいうえに高額な医療費がかかるから。生きる希望はもてるけど、その希望のために多額のお金を費やして苦しまないといけないやろ。家族の生活を考えないといけないから立場やから、その医療費はものすごいストレスになると思う」って。

ガン保険にちゃんと入ってたのに。

難病だってお金はかかりました。車椅子だってレンタルや購入に補助はあってもかかったし。

介護にだって、入院費だってお金はかかります。

でもなぜかいつも「ガンじゃなくて良かった」って言ってた父。

だから私がガンになって父はすごくショックを受けたように思う。

世の中にはたくさん病気がある。

父が病気になってたくさんの病気を知りました。

大変な病気の中ではメジャーな病気のガン。

治療法もたくさんあるし、共存してる人だってたくさんいる。

でもやっぱり

「すごく高額な治療費がかかって、副作用に苦しんでハゲて死んでいく・・・」

そんなイメージをぬぐえないガン。

これってお涙ちょうだいのドラマの影響が大きいように思う。

治療法がないといわれたときの絶望は計り知れなかったから。

「ガンじゃなくてよかった」は父の本音なのか強がりなのかはわからないけど。

でも何パーセントかでも可能性がある限り私はがんばらなきゃいけないと思う。

治らない病気と闘ってきたから。。。



でも願わずにはいられない。

もう病気と闘うことなく健康な体で人生を歩んでいきたい。。。



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