なんとかさんを引き合いにしなくていいです

乳ガン発覚後、何故かよく耳にしたのが「なんとかさんもガンだったけど今は元気にしてるよ」という元気な誰かを引き合いに出しての励ましの言葉でした。


いきなりステージ4だったこともあり、心の中はブラックだったので「なんとかさんはもう高齢やし全然違う」と思うことが多々ありました。


世の中の励ましの言葉に出てくる「なんとかさん」に私も入っているのかもしれませんが。


なんとなくそれはステージが軽くて年齢のいってる方なイメージがあります。


30代でガンとか言われると60代、70代、80代の人の話はまったく別物に感じるのです。


「いやいや、もう子育ても落ち着いてなんなら孫もいるんでしょ?私は60代まで生きれない可能性の方が高いんだしそこまで生きれた人と一緒にしないで」


そんな風に思っていました。


自分よりもっともっと若くにガンになる人もいるのに。


同じ「ガン」でも部位によって全然違うし、同じ乳ガンでもタイプやステージによって違うし、同じようなタイプやステージでも年齢や環境によって全然違う。


励ましてくれる気持ちはありがたいしきちんと感謝してるけど、なんとかさんを引き合いに出されるのはあまり心地の良いものではなかったなぁ。

もう一つ思ったのが、同じ30代でも結婚してない人、お子さんのおられない人、妊娠中の人、子育て中の人。


その立場によって受け止め方とかいろんなことが違ってくると思います。


立場が違えば本当の気持ちはなかなか理解できないと思う。


でも本当の気持ちまで理解しなくていいのかなと思うんです。


そのつらさをわかりたい、わかってあげたいと思ってくれるその気持ちが嬉しいから。


励ましに誰かを引き合いに出す必要もないし、わからないことを無理にわかった風に話す必要もないのかな。

励ますのってあれこれ言葉を並べたり比較したりしないで、ただ話を聞いて寄り添ってくれたらそれですごく救われるのかなと今は思います。